ASCII Power Review 第298回
キーボードも7880円で買い足せる、今秋オススメのタブレットです!!
6万円台で速度もハプティックペンも気持ちいい=お買得の最新Androidタブレット「Lenovo Yoga Tab」実機レビュー
2025年11月20日 00時01分更新
Androidタブレットはエントリーモデルとハイエンドモデルの2極化がスマホより進み、目的に合った製品選びがなかなか難しい。
今秋発売となったレノボの「Yoga Tab」は直販価格6万3800円のミドルクラスの価格帯ながら、2023年のフラッグシップ端末に採用されていた「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載。手ごろな価格と、高いパフォーマンスを両立している。
また、他メーカーではオプションになりがちなスタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」が同梱。しかもハプティックフィードバック技術採用により、紙に書いているかのような筆記感を実現している。
Lenovoから試用機を借りたので、コスパだけでなく、ペン対応タブレットとして心地よいフィーリングを実現した「Lenovo Yoga Tab」の実機レビューをお届けしよう。
本体がお手頃価格なうえ
純正キーボードカバーも7000円台
「Lenovo Yoga Tab」に用意されているのは1モデルのみ。ラインナップを絞ることで低価格化を実現しているわけだ。
OSは「Android15」、プロセッサーは「Qualcomm Snapdragon 8 Gen3」を採用。メモリーは12GB(LPDDR5X)、ストレージは256GBを搭載している。メモリーカードスロットは非搭載だ。
ディスプレーは11型で3200×2000ドット、リフレッシュレート最大144Hz、ピーク輝度最大800ニト、DCI-P3カバー率98%、Dolby Vision、マルチタッチ対応だ。オーディオ機能としては、Dolby Atmos対応の4スピーカー、マイク×2を搭載している。
カメラはリアに13MP広角(AF)、2MPマクロ(FF)、フロントに13MP(FF)を搭載。リアの13MP広角、フロントの13MPカメラでは、静止画を4160×3120ドットで撮影可能だ。
インターフェースはUSB3.2 Type-C(映像出力、電源供給対応)と、キーボードと有線接続するための「スマートコネクタ」を装備。ワイヤレス通信機能はWi-Fi7(11be)、Bluetooth5.4をサポートしている。WWANには非対応だ。
本体サイズは約255.5×165.8×6.2mm(カメラ部厚さは約8.3mm)、重量は約458g。8860mAhのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約12時間、バッテリー充電時間は約1.1時間と謳われている。
本製品にはハプティックフィードバック技術によりアナログの筆記感を再現するスタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」を同梱する。
このペンは8192段階の筆圧検知に対応。またペン先は1.4mmで、予備が1本付属している。
さらに別売のアクセサリーとしては、「Lenovo Yoga Tab キーボードパック」(7880円)、「Lenovo Yoga Tab フォリオケース」(2970円)などが用意されている。
今回は試用できなかったが、「Lenovo Yoga Tab キーボードパック」はタッチパッド付きのキーボードカバーだ。他メーカーの製品と比べると、1万円を大きく切る手頃な価格設定が嬉しいところである。
ディスプレーは11型(3200×2000ドット、リフレッシュレート最大144Hz、ピーク輝度最大800ニト、DCI-P3カバー率98%、Dolby Vision対応、色精度ΔE<1、マルチタッチ対応)
キーボードとマウスを接続すれば
マルチウインドー環境「PCモード」に
本製品には純正キーボードカバーが用意されているが、今回は残念ながら試用できなかったので他社のキーボードとマウスを接続してみた。
すると、マルチウインドー環境で利用できる「PCモード」への切り替えを提案する画面が表示された。せっかくキーボード&マウスを接続するなら、PC的操作感で利用したいもの。業務によっては「Lenovo Yoga Tab」だけで外回りや出張もこなせるわけだ。
ぜひ一度体感してほしいのが、標準同梱のスタイラスペン「Lenovo Tab Pen Pro」だ。
ハプティックフィードバック自体はマイクロソフトの「Surface Slim Pen 2」(2021年発売)に搭載されているので珍しくはないが、「Lenovo Tab Pen Pro」はボールペン、蛍光ペン、鉛筆、万年筆と4種類の「手書き効果」が用意されており、なかなかリアルだ。また振動も調節可能で、最大強度であればガッツリ感触を味わえる。
ハプティックフィードバックは単にフィーリングの演出というだけではなく、ペン先をどのぐらい滑らせたのかを体感できるので、より正確にペン先を走らせられるというメリットもある。
「それでこんな絵しか描けないの?」とか言われるとぐうの音も出ないのだが、ぜひ世の絵師の方々にも体験し、その感想を聞いてみたいところだ。
日常や旅行などで十分楽しめる
カメラのクオリティー
カメラはリアに13MP広角(AF)、2MPマクロ(FF)、フロントに13MP(FF)を搭載している。
実際に撮影してみた感想としては、強い色が入っているとややホワイトバランスがずれる傾向があるが、ビューワーで補正できるレベルだ。
昨今のスマホと比べると解像度は決して高くはないが、43インチのテレビなどに表示しても粗さは感じない。日常や旅行などで写真撮影を楽しめるだけのクオリティーを備えている。
一般ゲーマーやクリエイターであれば
十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮
「Lenovo Yoga Tab」はプロセッサーに「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載している。今回定番ベンチマークを実施したところ、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V11」の総合スコアは22万46928、CPUは65万4954、GPUは65万8264、MEMは35万1237、UXは58万2473となった。
CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 6」のSingle-Core Scoreは2241、Multi-Core Scoreは5845、 GPU OpenCL Scoreは1万4009、GPU Vulkan Scoreは1万6023だ。
3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のSteel Nomad Lightは1688、Solar Bay Extremeは849、Solar Bayは8594、Wild Life Extremeは4982。
AIベンチマーク「Geekbench AI 1.5.0」のSingle Precision Scoreは441、Half Precision Scoreは442、Quantized Scoreは978を記録した。
総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V11」のスコアで比較すると、クアルコムの「Snapdragon 8 Elite」を搭載する最新ゲーミングスマホ「REDMAGIC 10 Pro」の総合スコアが3147095なので、「Lenovo Yoga Tab」はその約71%相当の処理性能ということになる。
スコアの数字的には差があるが、「AnTuTu Benchmark V11」で200万越えのスコアを発揮するのであれば、多くの3Dゲームを高画質設定でスムーズにプレイできる。
もちろん動画の書き出しなども十分高速だ。2023年発売のプロセッサーというと時代遅れと感じるかもしれないが、長く使われてきたからこそOSやアプリ、ゲームの動作も安定している。よほどハイレベルなeスポーツ選手やクリエイターでなければ、本機の性能に満足できるはずだ。

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