ゲーマー向けヘッドセット新機種「JBL Quantum 950 Wireless」など3製品
JBLが新ゲーミングヘッドホン発売へ、バッテリー同時充電で何時間でも使い倒せ、音質強化のつよつよ仕様
2026年01月29日 08時30分更新
快適装着、空間オーディオ対応の新製品
ハーマンインターナショナルは1月28日、eSports Studio AKIBA(ソフマップAKIBAパソコン・デジタル館8F)で、近く国内向けに投入する、JBLブランドの新ゲーミングヘッドセット3機種を披露した。
今年でブランド創設80周年を迎えるJBLがその総力を挙げて「ゲーミングオーディオの再定義」に挑んだという新製品。フラグシップモデル「Quantum 950 Wireless」を筆頭とした新ラインナップの展示に加え、プロeSportsプレイヤーやゲーマーの視点での製品の魅力についても紹介された。
聴覚は危険察知の本能を刺激、ゲームにおける音の重要性
冒頭では、ハーマンインターナショナルの石原氏が登壇し、新生Quantumブランドの根幹にある哲学を語った。
JBLが着目したのは、人間の五感。特に生命を守る上で極めて重要な瞬時の「危険認知能力」だという。人間は情報の8割以上を視覚から得ると言われているが、聴覚や触覚で得た情報への反応は視覚よりも速く、「生存に関わる危険」を脳に伝える感覚なのだという。視覚から得る情報があまりに多いため、脳が追い付かないといった理由もあるようだ。
こうした人の持つ特性に着目して掲げられたのが「SOUND IS SURVIVAL」(音は、生き残るための武器)というコンセプトだ。ゲームにおいても重要な耳を使った空間把握。そこを意識した製品開発が行われているということだ。
JBLの空間再現性を支える「ハイペリオン」
Quantumシリーズの空間再現性の高さは瞬時に反応が必要なゲームの質を確実に上げてくれる。特に注目したいのが圧倒的な定位感(音の位置を特定する能力)の高さだ。
特に最上位のQuantum 950 Wirelessは空間オーディオへの対応を前面に押し出している。そして、JBLの空間オーディオ技術の開発を支えているのが、1年をかけて構築された巨大な測定システム「ハイペリオン」だという。
ハイペリオンは高さ約6m、直径約4mの球体のフレームに34個のJBLプロフェッショナルスピーカーと4個のサブウーファーを搭載。総合出力2万Wという驚異的なパワーを誇るサラウンドシステムだ。この極限の環境で360度の音響を測定・調整することで、FPSゲームに求められる「背後のわずかな足音」や「銃声の距離感」をミリ単位で把握できる精度を実現したとしている。
刷新された「JBL Quantum エンジン」と新UI
新しいQuantumシリーズのヘッドセットは、ソフトウェア面でも大きな進化を遂げている。専用アプリ「JBL Quantum エンジン」はUIを直感的なものへ刷新。さらに、既存ユーザーにとっても役立つアップデートがなされている。
具体的には「AIノイズキャンセリング(マイク)」によって、キーボードの打鍵音などをAIが判別してカットし、ボイスチャットにクリアな声だけを届ける機能、ゲームタイトル別のEQプリセットとして、『Overwatch 2』や『VALORANT』など、人気タイトルに最適化された19種類のイコライザーを搭載している点などが挙げられる。さらにWindowsだけでなく、macOSにも対応するようになったのもメリットだ。
3モデルの違いは?
発表されたのは、フラグシップからエントリーまでをカバーする3つのモデル。ドライバーは全モデル共通でカーボンコートした50mm径のダイナミックドライバーを採用。
JBL独自の立体音響技術「JBL Quantum Spatial Sound」に対応するほか、マイクカプセルの大きさを従来の4mmから6mmへと大型化。音声通話時の収音性能をアップしている。
長時間にわたる利用でも疲れにくい設計を採用しているのも見どころだ。ハンモックから着想を得たメッシュ素材のヘッドバンドや、もちっとした質感の低反発イヤーパッドで装着時の圧迫感を軽減している。イヤーパッドのクッションやカバー,ヘッドバンドなど,各部品は簡単に取り外して交換が可能な仕組みになっており、劣化や汚れが気になったら交換できるも安心だ。
将来的には色や印刷などが異なる部品に付け替えて、カスタマイズを楽しむといったことができるようになるかもしれない。
フラグシップの「JBL Quantum 950 Wireless」は2.4GHzワイヤレス、Bluetooth、有線の3つの接続方法に対応。ゲーム音を聞きながらスマホで通話することも可能となっている。アクティブノイズキャンセリング(ANC)やヘッドトラッキング機能も備えている。
加えて、本機のみが「ベースステーション」を同梱していて、パソコンなどと接続して送信機として利用できるだけでなく、大型のダイヤルを備え、手元で直感的に音量調節ができるのが特徴だ。
バッテリーを2個同梱しているのも面白いところ。本体とは別に予備バッテリーが付属し、片方をベースステーションで充電しながら、もう片方でプレイできる。交換しながら利用すれば、「24時間連続」でゲームプレーも可能になるというわけだ。
ミドルレンジの「JBL Quantum 650 Wireless」はワイヤレスの利便性を追求したバランスの良いモデル。こちらも有線接続のほか、2.4GHzワイヤレスとBluetoothの接続に対応。ワイヤレス接続時は同時接続ではなくどちらかを選ぶ形になるようだ。
エントリーの「JBL Quantum 250」はシンプルかつ高音質を求めるユーザー向けで、接続は 3.5mmの有線接続のみとなる。ハイレゾ認証を取得した高品位なサウンドについては他モデルと同様だ。
共通のドライバーを搭載するが、音作りについても、エントリーのQuantum 250は低音重視、ハイエンドのQuantum 950 Wirelessはフラットな特性として、より正確な空間再現ができるようにするなど、利用シーンに合わせた調整を加えている。
イヤーパッドも上位モデルは質感の高いPUレザーを採用。下位モデルとは素材が異なるが、互換性を持つため付け替えが可能だ。なお、機能的にはQuantum 950 Wirelessが頭ひとつ抜けているが、650と250にはホワイトカラーを選べるという特徴もある。
FAV gaming のsako選手・もけ選手が語る「武器としての音」
トークセッションでは、JBLがスポンサードするeSportsのプロチームFAV gamingから格闘ゲーム界のレジェンド・sako選手と、若手実力派のもけ(moke)選手が登壇してコメントを寄せた。
1/60秒を競う世界で重要な遅延の少なさ、音の情報量が増えることでコンボのミスや反応速度が上がる点など、プレイをサポートする機器としての満足度の高さについて触れた。
sako選手はこれまでもQuantum 910 Wirelessを活用してきたそうだが、迫力のある音声に加えて、スピーカーでは聞こえなかった細かな音も聞こえる点を評価しているとのことだ。イヤーパッドの交換が可能で、常に新品のように使い続けられる点も好印象だとコメント。
「僕らは1日5〜6時間は当たり前に使い込むので、イヤーパッドを簡単に外して交換できるのは本当に嬉しい。常に新品のフレッシュな状態で戦えるのは大きなアドバンテージです」とする。
また、もけ選手は普段はワイヤレスイヤホンを活用してきたというがハンモック構造のヘッドバンドは装着感が軽く、気になっていたヘッドホンの締め付け感を感じずに済む点がいいとコメントしていた。
また、タレントのRaMuさんと倉持由香さんも登壇。倉持さんは女子e-Sportsチームのプロデュースも手がけている。実際にOverwatch 2の対戦もしながら、女性ゲーマーの視点から、そしてライフスタイルの一部で使うデバイスとしてQuantum 950 Wirelessの魅力を語った。
RaMuさんはノイズキャンセルの効きの良さに驚き。準備中、スタッフの声が聞こえないぐらいだったとコメントしていた。一児の母でもある倉持さんは、「夜の寝かしつけ後にゲームをする際、ノイズキャンセリングを調整することで子供の泣き声に気づけるようにしつつ、ゲームの没入感も保てる。パパ・ママゲーマーにとって、このオンオフの切り替えは最高の機能です」と、育児と趣味の両立ができるヘッドセットだと紹介していた。
音を聞く
なお、短時間ではあるが、Quantum 950 Wirelessの音を体験することができた。大きなメリットに感じたのは密閉型でありながら、閉塞感がなく開放的な音場が得られる点だ。解像感も高く、空間における音の把握がとてもしやすい。
次に印象的だったのが、ノイズキャンセル機能の強力さ。オンにすると、マイクを使ってかなり大きく拡声されていた場内アナウンスの声すらほぼ聞こえなくなるほどの利きだった。
EQについては、ゲームタイトル別にかなり多くの種類が用意されているが、設定を見てみるとかなりダイナミックなカーブが適用されているのがわかる。FPSなどで空間を感じ取るために重要な部分でもあるので、プロがあらかじめ用意した設定があるというのは心強い。装着感についても、比較的軽く、長時間の使用でも不満が出にくそうだ。
新しいQuantumシリーズの製品は、ゲーミングヘッドセットとして全体的なバランスがとてもよく、かつパーツ交換にも対応するということで、長期・長時間にわたって使うのに適したモデルだ。
デザインもゲーミングらしさを維持しつつ、落ち着いてもいるので、シチュエーションを選ばずに使えるだろう。装着感、メンテナンス性、そして何より「脳に届く情報の質」を追求した製品として、なかなか魅力的な機種と言えそうだ。
特に、Quantum 950 Wirelessのバッテリー交換システムとベースステーションの組み合わせは、ワイヤレスデバイスの最大の弱点である「充電待ち」を解消できる。外で長時間ゲームをし続ける際にも安心だし、ワイヤレスヘッドホンの利用を敬遠するゲーマーの大きな課題をひとつ解消してくれる点はメリットと言えるだろう。
eSportsのプロからライトユーザー、さらには生活の一部としてゲームを楽しむ人々まで。2026年のゲーミングシーンをより豊かで、刺激的なものにしてくれる製品になりそうだ。

































