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「置き配」の次は「積み荷」。箱サイズがバラバラでもうまく積んでくれるロボットが出た

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置き配が広がっても、倉庫の悩みはなくならない

 置き配の標準化が、早ければ4月にも施行される見通しだ。再配達が減り、物流の効率化が進むのでは、と期待する声も多い。

 もっとも、物流業界の人手不足が深刻なのは、配送の現場だけではない。その手前にある倉庫や工場でも、長年、別の悩みを抱えてきた。出荷前の積載作業、いわゆるパレタイズだ。

力よりも大事なのは、「どう積むか」

 パレタイズというと、どうしても力仕事のイメージが強い。だが実際には、箱のサイズや向き、積む順番をどう考えるかといった「詰め方」の工夫がものを言う。

  そのため、人が足りないからといって、体力のある若者を増やしても、現場がスムーズに回るとは限らない。経験の浅い新人が何度も往復する横で、ベテラン作業員は、手際よく荷物を積み上げていく。差を生んでいるのは「どう積むか」を先読みする力だ。

設定が大変すぎて、使われなくなったロボットたち

 物流倉庫ではロボットの導入も進んでいるが、パレタイズロボットも長らく同じ壁にぶつかってきた。腕力はあっても、考える力が足りなかったのだ。

 従来のロボットでは、箱やパレットのサイズが変わるたびに、専門のエンジニアを呼んで設定をやり直す必要があった。そのたびに費用もかかり、「ロボットを入れたけど、結局いまは隅っこで置物になっている」というのはよく聞く話だ。

サイズがバラバラでも、ちゃんと積んでくれる

 ここに挑んでいるのが、筑波大学発スタートアップの株式会社Closerだ。同社の小型協働パレタイズロボット「Palletizy」の特徴は、特許出願中の「オートレイアウト」機能にある。

 使い方はいたってシンプル。箱とパレットのサイズをタッチパネルに入力するだけで、積み付けのレイアウトを自動で作り、それに合わせて、ロボットの動きも同時に調整される。

 つまり、ベテラン作業員が頭の中で行ってきた「どう詰めるか」という判断を、ソフトウェアとして実装したのがオートレイアウトだ。箱のサイズがバラバラでも、その都度「どう詰めるか」を考え直し、いい具合に組み替えてくれる。

「うちには無理」と思っていた現場にも選択肢が出てきた

  しかも本体は小型で、大がかりな設備工事や専門人材を前提にしない。ちなみにPalletizyの価格は1千万円台前半。決して安くはないが、これまでロボット導入をあきらめてきた小さな工場や倉庫でも選択肢になりそうだ。

 「3人分の仕事」を生むのは腕力よりも、レイアウト思考。文句ひとつ言わず、24時間365日、その判断を繰り返してくれる。力仕事の肩代わりではなく、“考えてくれる”ロボットは、現場にとってなかなか頼もしい助っ人になりそうだ。

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