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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第351回

HIKAKIN&はじめしゃちょーの人気は健在

小学生における流行はTikTokとYouTube発!「イタリアンブレインロット」「ナルトダンス」が人気

2025年12月09日 09時30分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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2025年下半期の流行語

TikTok発「イタリアンブレインロット」「ナルトダンス」が流行

 いまどきの小学生における流行をご存じだろうか。小学館の「JS研究所(小学校低学年女児向け雑誌『ぷっちぐみ』、少女まんが誌実売連続部数No.1『ちゃお』調べ)」および、「コロコロコミック研究所(男子小学生向けマンガ雑誌『コロコロコミック』調べ)が発表した、2025年小学生年間トレンド調査(2025年11月)を見てみよう。

 まず流行語として、低学年女子1位、男子2位に「イタリアンブレインロット」がランクイン。

 イタリアンブレインロットとは、「トゥントゥントゥンサフール」「バレリーナ・カプチーナ」など、生成AIによって作られた架空のキャラクターを、イタリア語の人工音声で紹介するネットミーム。ブレインロット(brainrot)は“脳が腐る”という意味であり、TikTokで人気が広がったと言われている。

 なお、男子1位の「ナルトダンス」もネット発だ。中国で流行した「科目三(Ke Mu San)」というダンスミームであり、アニメ『NARUTO』のコスプレをしていたため、ナルトダンスと呼ばれている。小学生の間にも、TikTokなどを通じて流行が拡大している実態がよくわかる。

好きな有名人

小学生にはYouTubeの影響力が強い

 好きな有名人について聞いたところ、男子は1位「HIKAKIN」、3位「はじめしゃちょー」と、著名YouTuberが上位にランクイン。

 チャンネル登録者数などにおけるYouTuberランキングでは、新興勢力が台頭しており、HIKAKINは執筆現在で9位、はじめしゃちょーは12位となっている。しかし、男子小学生の間ではまだまだHIKAKIN・はじめしゃちょー人気は衰えていないようだ。

 一方、女子小学生では3位に原宿系インフルエンサー「しなこ」、4位に6人組エンターテイメントグループ「しなぷり」がランクイン。どちらもYouTubeなどで活躍しており、やはりYouTubeの影響力が強い結果となっている。

よく見るYouTubeチャンネル

 また、よく見るYouTubeチャンネルについて聞いたところ、「HIKAKIN」が女子2位、男子1位。マインクラフトなどのゲーム実況で人気の男女2人組「ちろぴの」が女子1位、男子4位など、ゲーム実況チャンネルが人気の結果に。女子では、「しなこ」や「すとぷり」なども上位に入っていた。

 なりたい職業ランキングでも、女子小学生の5位に「YouTube・VTuber」、男子小学生の1位に「YouTuber」、2位に「ゲーム実況者」がランクインしており、YouTuberやゲーム実況の人気の高さがうかがえる。

 小学生はTikTokやYouTubeをよく見ており、影響を強く受けている。どちらも13歳以上対象のサービスであり、小学生は対象外のはずだが、多くの子どもが見ているのが実態だ。一方、TikTokにはデマなども多いこと、危険チャレンジも流れてくることが知られており、利用には注意が必要だ。

 また中毒性も高いと言われているので、保護者の見守りなども重要となる。子どもの見ている動画について親子で話し合ったり、危険な動画を見ていないかを確認するようにしていただければ幸いだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)、『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社α新書)、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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