【ついに量産】1分で歯みがき完了。“くわえるだけ”ロボット歯ブラシ「g.eN」がクラファン開始
医療機関での実証を重ねた自動歯みがきロボが、一般ユーザーへ向けて本格始動
早稲田大学発スタートアップの株式会社Genicsが、ロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」の量産化に向け、12月2日よりクラウドファンディングを開始した。プロジェクトはKibidango(きびだんご)で行われ、目標金額は500万円。期間は2026年1月29日までとなる。
g.eNは、口にくわえるだけで自動的に歯を磨いてくれるロボット歯ブラシ。複数の小型ブラシが歯の表と裏を同時に磨き上げる仕組みで、2022年の日本ヘルスケア歯科学会で発表された研究では、口腔衛生状態として良好とされる基準を満たす清掃効果が実証されている。
今回のクラウドファンディングでは、早期支援で3万円台前半から入手でき、市販の電動歯ブラシ上位モデル帯に収まる価格が実現した。初期モデルから大幅に小型化し、一般の洗面台に収まるサイズへ刷新。2026年からは量販店での販売も予定されている。
クラウドファンディングの主なリターンは、早期支援プラン(31,042円、12月31日まで)、特別プラン(32,868円)、限定カラープラン(36,520円)、2台セット(58,432円)など。
特許技術を活かした「なぞるブラッシング」
g.eNの最大の特徴は、小型モーター駆動の複数ブラシが歯列に沿って移動・回転しながら歯垢を除去するという構造だ。
マウスピース型電動歯ブラシとは異なり、ブラシ一本一本が“歯面をなぞる”ように動くため、清掃効率が高い。ブラシが移動しながら磨くこの構造は特許も取得している(関連記事:人と共存するロボット開発から生まれた「次世代全自動歯ブラシ」のビジネス戦略 )。
10年の積み重ねが量産へとつながった
g.eNの開発は、2015年に栄田氏が早稲田大学大学院生だった頃、「ロボット技術で歯磨きを変えられないか」という問いを立てたことから始まった。2017年にはJSTの大学発新産業創出プログラムに採択され、2019年にはCESで初披露。医療機関との実証も重ね、初期モデルは累計200台以上が実際に使用されてきた。
栄田氏は今回の発表で次のようにコメントしている。
「『確実に磨ける』という本質を守りながら、より多くの方に届けられる製品への進化を追求してきました。ようやく量産化のステージに進む準備が整いました」
研究開始から10年。技術の成熟、製造ノウハウの蓄積、実証データの蓄積が、ようやく一般向け製品という形で結実した。
ASCII STARTUPでは、これまでインタビュー取材やJIDへの出展などを通じて、たびたび実機を見せてもらってきた。最初に見た試作機は、正直「これを口に入れるのは大丈夫だろうか……」と思ったが、年々小型化が進み、動きも洗練され、医療機関での実証も積み重なってきた。
そして今回、ついに量産へ到達。2026年中には一般量販店での販売も予定されているという。最初はネタかと思っていたロボット歯ブラシが、本当に街の家電コーナーに並ぶ日が来るかと思うと、なんだか感慨深い。
※本記事は、プロジェクトオーナーのプロジェクトが必ず成功することや、プロジェクトの品質、リターン内容を保証するものではありません。プロジェクト進行中に関するトラブル、返金要求、リターン返品要求はプロジェクトオーナーの責任のもと行なわれます。プロジェクト不成立時には製品が届かなかったり、返金が受けられないなどのリスクがあります。出資は自己責任でお願いします。

































