今すぐ確認すべき詐欺ニュース一覧 第28回
2025年10月のフィッシング詐欺状況は証券会社を騙るものが再度増加
偽Amazonが2万5000件、偽Appleは1万5000件の報告あり――最新フィッシング詐欺状況
2025年11月26日 19時00分更新
証券会社を騙るフィッシングが再び増加
相変わらずAmazonとAppleを騙るフィッシングが目立ちます。
フィッシング対策協議会が11月に発表した、2025年10月分の「フィッシング報告状況」によると、「報告件数」は前月から1103件増えて、22万5796件でした。
ここ半年間は増減を繰り返していましたが、ここに来て2ヵ月連続の増加となっています。とは言え、証券口座乗っ取りのフィッシング詐欺が猛威を振るっていた春頃の数字には達していません。
同協議会によれば、「10月上旬は報告数が平均約6400件/日と前月後半と同水準でしたが、中旬は約7300件/日、下旬は約8100件/日、日によっては1万件を超える報告を受領」したとのこと。また、先月は減少傾向だった証券会社を騙るフィッシング報告も再び増加しました。
全報告数のうち2万5000件超(約11.2%)がAmazon、1万5000件超(約6.9%)がAppleを騙るフィッシングで占められていました。それぞれプライム感謝祭、新型iPhone発売があった前月と比べると大きく減少しています。
1万件以上の報告を集めたJCB、佐川急便、ANAを騙るフィッシングの報告もあわせると全体の約30.0%を占めています。
分野別では、EC系約25.3%、クレジット・信販系約23.0%、配送系約10.1%、証券系約7.1%、航空系約6.8%、金融(銀行)系約3.8%、電気・ガス・水道系約3.5%、交通系約3.1%となり、前月と比べてEC系、航空系、金融系は減少、代わりに配送系が特に増加しました。
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フィッシングメール/SMSの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数(重複なし)」は前月より2万544件減って、4万8533件でした。協議会によると、大きく減少した理由は、「ランダムサブドメイン名を使うケースが減り、同じホスト名でパラメーターを変えるケースが増えた」とのこと。
悪用された「ブランド件数」は前月より4ブランド増えて115件になりました。内訳はクレジット・信販系が23ブランド、金融(銀行)系17ブランド、証券系10ブランド、オンラインサービス系10ブランド、通信事業者・メールサービス系8ブランド、決済系7ブランド、そしてEC系が7ブランドでした。
前月に目立った国勢調査の回答依頼を装ったフィッシングは「回答期限が過ぎると減少傾向」になったとのこと。悪意ある人たちは、個人情報が集まりやすいイベントを把握したうえでフィッシングを仕掛けていることがうかがえます。
なお10月は、さまざまなブランド名を使って、「セキュリティチェックと称して最初に携帯電話番号を入力させ、その後に送られてくる認証コードを入力させるフィッシング」が多数確認されています。
11月はAmazonをはじめ多数のECサイトがブラックフライデーに伴うセールを催します。執筆現在、まさにセール期間中ですが、ECサイトや配送サービスを装ってアカウント情報などを盗もうとするメール/SMSが大量に飛び交っています。
気になる場合は、必ず自分で検索またはブックマークから公式サイトに飛んでメール内容の真偽を確認してください。届いた文章内のリンクをタップしてはいけません。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。
※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。

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