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「マネーフォワード AI確定申告(β版)」無料トライアル提供

確定申告をAIがやってくれる時代に! 領収書をアップしたら申告内容までそのまま作ってくれる

2025年11月25日 18時00分更新

文● モーダル小嶋/TECH.ASCII.jp

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 多くの個人事業主が頭を悩ませる「確定申告」にも、ついにAIが進出してきた。煩雑な帳簿づけや数字の突き合わせといった“面倒の象徴”のような作業が、画面の向こうで自動的に処理されていく時代が来るのだろうか。

 マネーフォワードは11月25日、同社初のAIネイティブプロダクトである「マネーフォワード AI確定申告(β版)」の提供を開始した。

 本サービスは、AIがユーザーに代わって領収書などの書類内容を解析し、自動的に申告内容を作成する点が大きな特徴。ユーザーは完成した申告内容のチェックと、その後の書類提出のみで確定申告を完了できるという。

 ただし、申告書類の作成・提出には、e-Taxや既存サービスである「マネーフォワード クラウド確定申告」などの利用が必要となる。

 開発背景として、個人事業主やフリーランスにとって確定申告は毎年大きな工数と精神的負担をともなうものであり、既存のクラウド会計ソフトでは「会計知識に自信がない」「なるべく手間なく簡単に終わらせたい」といった声に十分には応えきれていなかったとする。

 そこで同社は、従来のサービス提供に加えて、確定申告の初心者や会計知識の少ないユーザー向けに、AIを核に据えた新しい申告体験を届けることを目指したという。

 サービスの主な特長は3つ。第一に、従来のクラウドサービスにAIを機能として組み込むのではなく、AIを最大限に活用することを前提に、プロダクトのコンセプトやユーザー体験を設計したとする点。

 第二に、ユーザーが領収書をアップロードするだけで、AI-OCRが書類を読み取り、生成AIが申告内容のデータを自動で生成する。ユーザー側はその後「チェック」と「提出」のみで、申告手続きを完了できるという。

 第三に、AI処理の判定理由をユーザーに明示することで、「交際費」「交通費」など取引ごとのカテゴリ判定理由を表示し、会計知識に不安を抱えるユーザーでも安心して申告準備を進められる設計となっている。

 β版として無料トライアル提供される機能には、「領収書読み取り・申告内容自動作成(「AIおまかせ領収書整理」)」「AIによる解析結果・判定理由確認」「収支・純利益の自動計算」が含まれる。

 今後、「確定申告用明細ファイルのダウンロード機能(2026年1月予定)」「源泉徴収票・保険料・医療費控除書類の解析・計算・反映」「スマートフォン撮影・アップロード機能」「スマートフォン版アプリ」「申告書の作成・提出」「銀行・金融サービスとの連携」など順次機能追加を予定している。

 対象者は、事業収入があり不動産収入がない免税事業者とされ、不動産所得・農業所得・消費税の計算には対応していない。また、申告書の「作成」機能そのものはこのサービスには含まれておらず、書類の作成・提出には既存サービスの利用が必要となる。

 マネーフォワードは、これまで「マネーフォワード クラウド確定申告」を提供して個人事業主の申告作業を支援してきたが、本サービスを通じて、確定申告の初心者や会計知識のないユーザーにも、AIによる劇的な効率化を実現する新たな体験を届けるとしている。

 また、今後は確定申告にとどまらず、AIを活用したバックオフィス業務の自動化を見据え、AIネイティブなサービスのラインアップを拡充していく意向という。

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