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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第321回

10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か

2025年11月19日 07時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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常に付きまとうカニバリ問題

 廉価版のMacBookは、M2相当の十分な性能でライトなタスクやAIの処理に長けていて、多少のゲームもこなし、バッテリーが長持ちする、存在になるのではないか、と予測できます。

 しかしここで問題になるのが、iPadと自社内競合(カニバリゼーション、カニバリ)するのではないか、という点です。もっとも、MacBookシリーズとiPadのカニバリは今に始まったことではありませんが。

 2025年の段階でAppleに取材すると、タッチが前提なiPadと、そうではないMac、という線引きが存在しています。面白いのは、iPadとMacの区別に価格帯の話は出てこない点。

 デバイス特性の違いで区別しているなら、タッチ対応しないことが、廉価版MacBookがMacであることの意味になるのかもしれません。もっとも、ディスプレーをタッチ化すると価格が上がりますし。

 ただ今後、MacBook Proが有機ELディスプレーに変わるタイミングでタッチ対応するのではないか、と言う話も聞かれるようになり、さらにiPhoneが折りたたみになればiPad的な複数アプリの同時利用がなければ「宝の持ち腐れになりそう」など、デバイスの在り方にも変化がもたらされるタイミング。

 廉価版MacBookが登場するタイミングで、Appleはどんなデバイスポートフォリオを作ろうとしているのか、見えてくるかもしれません。

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、情報経営イノベーション専門職大学(iU)専任教員として教鞭を執る。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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