1割近くが「感情的依存や中毒」
このコミュニティでは、AIとの恋愛をポジティブに感じている人が当然多いです。AIコンパニオンを得たことで、12.2%が「孤独感が減った」、6.2%が「メンタルヘルスが改善した」と回答。一部は「生きる気力を取り戻した」「命を救われた」とさえ書いています。トータルでは25.4%が「明確に人生が良くなった」と報告しています。また、72.1%が独身か、既存の人間関係について言及していませんでした。空白を埋める相手として使われているという状況が見えてきます。
一方、ネガティブな部分も指摘されています。投稿のうち71%は「害」について言及しておらず、ほとんどのユーザーは否定的な結果を報告していません。しかし、9.5%の投稿には「感情的依存や中毒」という深刻な愛着や、AIが使えなくなることへの悲嘆を訴える内容が含まれていたとしています。
「現実との解離と混乱」は、全投稿の4.6%に影響を与えており、一部は手の込んだファンタジーのシナリオを作り出していました。「現実の人間関係の回避」は、投稿の4.3%で見られました。投稿には、現実の女性よりもAIを選ぶ理由を「シワシワのガソリンスタンドのホットドッグよりも、高級ステーキを選んでいるのかと尋ねるようなもの」と主張するようなケースもありました。
さらに、危険性を評価すると、4.4%が懸念される行動パターンを伴う「中リスク」、1.9%が明確な害の指標を伴う「中〜高リスク」と評価されました。
最も深刻なケースには、希死念慮の問題を、人間に相談する代わりにAIコンパニオンを利用して抑えているユーザーがいた様子も紹介されています。これは、AIコンパニオンが「最後の砦」の感情的サポートとして機能している様子だと、論文では触れられています。一方で、そうしたユーザーは、しばしば強烈な感情的依存を明らかにしていたとのことです。
ただ、それにもかかわらず、Redditの分析では、AIコンパニオンを使った結果、全体として「明らかにマイナスだった」という人は3.0%だったのに対し、「明らかにプラスだった」という人は25.4%と、ポジティブな報告がネガティブな報告を大きく上回った、という結論になりました。AIとの付き合いを通じて、「大きな個人の成長と回復」があったことを多くのユーザーが報告しています。
もともと孤独・脆弱で、AIがほぼ唯一の支えになっている利用者や、人間関係を「欠陥」と捉え、AIを「より良い代替」として持ち上げる利用者といった一定のフォローが必要なユーザーがいるとしても、AIコンパニオンを持つユーザーの全体の幸福度は上がっていると推測できるのです。

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