スペックはGPUが重要 Macでも生成自体は可能
ローカルでモデルを動かす際に最も重要なのはGPU(グラフィック処理装置)の性能だ。特に、最近の高精度モデルである Stable Diffusion XL や FLUX .1 のような生成系モデルを快適に使うには、VRAM(ビデオメモリ)容量と並んで、モデルが活用する精度形式(FP16/8bit/4bit)をどれだけ有効活用できるかが鍵となる。
推奨スペックの目安
最新のNVIDIA RTX 50シリーズを含めると、次のような目安が考えられる。
- 入門構成:12GB VRAM(例えば RTX 3060/RTX 4070相当)
- 安定構成:12~16GB VRAM/高クロックGPU(RTX 4070・RTX 4080など)
- 余裕構成:RTX 50シリーズ(例:RTX 5090/5080)、32GB VRAM級。50シリーズはFP4精度をサポートし、メモリ使用量を抑えながら生成速度も大幅に改善できるという報告がある。
CPU・メモリ・ストレージも重要で、CPUは近年のCore i5/Ryzen 5以上、メモリ16GB以上(できれば32GB)、SSDストレージ100GB以上の空きがあると安心だ。
Macでも可能?
Appleシリコン(M1/M2/M3) 搭載の Mac でも画像生成自体は可能だが、NVIDIA GPU+CUDA環境に比べるとモデル適用・互換性/速度の面で劣ることが多い。特に高精細・多数ステップのモデルではVRAM量やGPUアーキテクチャがボトルネックになる。
Macを使う場合は、Metal API対応の最適化ビルド(例:DiffusionBee など)や、量子化モデル(8bit/4bit)を活用して軽量化を図るのが現実的だ。
動画生成AIもローカル環境で
最近では、静止画だけでなく動画もローカル環境で生成できるようになってきた。代表的なのが「Wan 2.1」で、テキストや静止画から短い動画を生成できるオープンソースモデルだ。ComfyUIとの連携も進んでおり、数ステップで動画生成ワークフローを構築できる。
他にも、Stability AIの「Stable Video Diffusion(SVD)」などが登場しており、GPUを搭載したPCであればクラウドを使わずに動画を作れる時代が近づいている。まだVRAMや処理時間のハードルは高いものの、ローカル動画生成は確実に実用段階へと進化している。
まとめ:進化するローカル画像生成とこれから
2022年のStable Diffusion登場からわずか数年で、画像生成AIは誰もが使える時代になった。モデルの高性能化とツールの簡易化が進み、2024年以降はFLUXやComfyUI V1、そしてRTX 50シリーズGPUの登場によって、ローカル環境でも高品質な生成が現実的なものとなっている。
今後は、量子化や軽量化技術の進化により、より少ないVRAMでも動作するモデルが増えていくとみられる。また、動画生成や3D生成など、静止画を超えた表現分野でもオープンソースの波が広がりつつある。
ローカル生成環境はこれからも「高性能・自由・プライベート」の方向へ発展していくだろう。自分のマシンで完結する創作環境は、生成AI時代の新しいクリエイティブ基盤となりつつある。

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