全社的なコラボレーションを推進する基幹システムとしてBacklogが定着

JINSの挑戦を支えるBacklog “10年分のプロジェクト情報”は会社の資産

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 ヌーラボは、アイウエアブランド「JINS」を展開するジンズ(以下、JINS)におけるプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」の導入事例を公開した。

 Backlogは、JINSの「全社標準のプロジェクト管理ツール」として定着しており、システム開発から新店舗の立ち上げ、海外拠点の展開に至るまで、あらゆるプロジェクトの情報がBacklogで整理・共有されている。その結果、10年分におよぶプロジェクトデータがナレッジとして蓄積され、全社の連携と挑戦を支える仕組みとなっている。

 導入のきっかけは、ある開発プロジェクトだった。新しい顧客体験を目指す中で、領域が広がり、関わるメンバーも急増。プロジェクトが複雑化し、メールやExcelで管理することが困難になっていた。

 そこで、社内外の関係者が、共通のプラットフォーム上でタスクを可視化できるBacklogを採用。期限日が過ぎると「炎アイコン」が表示されるなど、ITに詳しくないメンバーでも直感的に使えるシンプルなUIも決め手となった。

 JINSがBacklogで得たひとつ目の成果は、「全社的なコラボレーション基盤」の構築だ。

 Backlogの活用は、システム部門から「全社標準のツール」にまで広がり、今では全社員の6~7割がBacklogを利用している。海外拠点や協力企業を含めると、約1700アカウントが運用され、進行中のプロジェクトは約700にもおよぶという。

 こうしてBacklog上で課題を共有するようになったことで、情報が分断されることなく、だれでも最新の状況を確認できる体制が生まれている。部門をまたいだプロジェクトも、Backlog上で進捗を追え、確認や報告にかかる手間が大幅に削減された。

 成果の2つ目は、ストックとフローを分けた情報整理による「属人化の防止」だ。

 JINSでは、短期的なやり取り(フロー)はチャットで行い、後から参照が必要な内容(ストック)はBacklogに登録するというルールを徹底。重要な情報が埋もれてしまうリスクを防ぎ、抜け漏れのないプロジェクト運営を可能にしている。

 3つ目は、プロジェクト情報の「ナレッジ化」だ。

 Backlogを蓄積したプロジェクト情報は、会社の資産としても活用されている。過去の課題ややり取りをすぐに参照できるため、業務の再現性が向上し、スムーズな引継ぎも可能になった。この膨大なデータを基にしたAI活用やリスク検知なども検討しており、さらなる業務改善につなげる予定だ。

 JINSでは、Backlogは「基幹システムの一部とも言える存在」になっているとコメント。「過去の履歴を検索して再利用できることが業務効率の向上につながり、JINSの新たな挑戦を支える基盤になっています」と述べている。

ジンズ グローバルデジタル本部 ITデジタル部 大間氏、佐藤氏、原島氏

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