Amazonは10月24日、米国で10月1日に発表した新しいEcho/Ringシリーズのメディア向けイベントを開催した。
サラウンド再生にも対応する新しいAlexa
スマートスピーカーとスマートディスプレーのシリーズであるEchoは次世代の「Alexa+」(国内展開は未定)に対応。「Echo Dot Max」(1万4980円、10月下旬発売)、「Echo Studio」(11月中旬発売、3万9980円)、「Echo Show 8」(3万4980円、11月中旬発売)、「Echo Show 11」(3万9980円、11月中旬発売)などが発売となる。
既報の通り、デザインを一新し、Amazonがカスタム設計したAI処理用のチップAZ3/AZ3 Proを搭載、複数のセンサーを組み合わせて室内状況を検知する「Omnisense」にも対応する。
Echo Dot Maxはシリーズ初登場のモデルで、第5世代Echo Dotの約3倍の重低音が特徴。部屋の音響特性を自動分析して最適化し、高域と低域用に2つのスピーカーを備えた2ウェイ構成になっている。カラーはグレーシャーホワイト、グラファイト、アメジストの3色だ。
「Echo Studio(第2世代)」は、本体を約40%小型化しつつ音質を維持。3つのフルレンジドライバーとウーファーを搭載し、空間オーディオやDolby Atmosに対応する。カラーはグラファイトのみ。
「Echo Show 8」と「Echo Show 11」は、周囲の明るさに合わせて自動調整するディスプレーと、フロント配置のステレオスピーカー+カスタムウーファーによる空間オーディオ再生が可能となっている。スピーカー部分は同じで画面サイズが異なる。カラーはグレーシャーホワイトとグラファイトの2色展開だ。
アマゾンジャパンのAmazonデバイス 事業本部 Echo・スマートホーム事業部 事業部長 丸山舞氏はAlexaを使い続けているかどうかを調べる「月間継続率」が日本では99.4%と世界でも抜きん出ている点を強調。Alexaが日常生活にしっかりと定着していることをアピールした。
Echoの主な用途は「家事効率化」「音楽再生」「家電操作」など。“ちりつも家事”の負担軽減に役立っていることに加え、離れた場所にいる家族や高齢者とのコミュニケーションに有効だとした。生成AIに対応したAlexa+については「日本向け展開を検討中」であり、今後の発表を楽しみにしてほしいとのことだ。
創業者が復帰、矢継ぎ早に新製品が登場したRing
セキュリティカメラやドアベルのRingシリーズは、4Kに対応した「Ring Outdoor Cam Pro」(3万3980円から、10月下旬発売)、「Ring Wired Doorbell Pro」(3万9980円から、10月下旬より順次発売)、「Ring Spotlight Cam Pro」(3万9980円から、発売未定)、広角2Kビデオ対応の「Ring Indoor Cam Plus」(8980円、10月下旬発売)。
“人の目で見ているような自然な映像と精密な細部描写”ができる「Retinal Vision(レチナルビジョン)」の採用が特徴。裏面照射型の高性能センサーにAI技術を組み合わせることで、暗所で撮影した映像を鮮明に記録し、映像の高解像度化もできる。モーション検知の精度も向上した。
「Outdoor Cam Pro」はIP65対応の防塵・防沫仕様で、10倍ズームやモーション検知、警告サイレン機能を搭載。カラーはホワイトとブラック。「Wired Doorbell Pro」は玄関向けの4Kドアベルで、アプリ通知や映像を見ながらの双方向通話が可能。10倍ズーム、モーション検知を備える。カラーはダークシルバー。「Spotlight Cam Pro」は600ルーメンのセンサーライトを内蔵した屋外用モデルで、IP65対応・サイレン機能付き・ホワイト1色展開。「Indoor Cam Plus」は屋内用の小型モデルで、4倍ズーム対応、プライバシー保護のレンズカバーを備える。カラーはホワイトとブラック。
Amazonデバイス事業本部 Ring事業部 事業部長 大石愛氏は日本での調査結果を踏まえ、「防犯カメラの満足点として常時録画、センサーライトなど、ハードウェア機能に起因するものを挙げる人が多い」と説明。一方で、「高画質化や通知、クラウド録画などを今後期待したいポイントとして挙げる人が多く、ソフトウェアの強化が求められている」とも語った。
また、Ringの創業者であるジェイミー・シモノフ氏が最近、Amazonに復帰したことにも言及。Ringについては、同氏の意見を取り入れ、計画になかった新製品なども次々と投入している状況だという。
新製品はRetinal Visionでは高解像度な映像を活かし、4K対応機種では10倍相当のズームに対応するほか、真っ暗な場所でも被写体を明るく表示できる「Adaptive Night Vision」や、一定の明るさがあればAIによって夜間でも映像をカラーで再現できる色補完技術「Color Night Vision」といった機能を持つ。
Echoシリーズは近く5.1ch対応に
会場では、新しいEchoシリーズのサウンドを体験できた。新シリーズのEcho Dot MaxやEcho Studioの第2世代、EchoShowなどを単体ステレオペアでデモしたほか、近日投入予定だというAlexaホームシアター機能(Fire TVとの組み合わせで5.1ch再生に対応)も実演された。
筐体のサイズによって低域のスケール感などが徐々に改善していくこと、ステレオペアにすることで広い音場が得られることなどが確認できたほか、後方からも音が出る5.1ch再生の臨場感あるサウンドも印象的だった。
説明によると、Echoスピーカーには部屋での位置などを自動で認識し、再生音を調整する機能がある。5.1ch再生でもフロント、センター、サラウンドといった既存の5.1chの配置にとらわれず、それぞれが連携して再生できる機能を持つという(デモでもフロントに2基、後方に3基という特殊な配置だったが、破綻なく音場が再現されていた)。
Dolby Atmosをはじめとしたサラウンドコンテンツも、今や重要なコンテンツの一部になっている。Echo、Alexa、Fire TVなどの進化にも注目だ。
カズレーザー氏もゲスト出演し、Ringや新しいEchoを初体験
イベントにはお笑い芸人のカズレーザー氏がゲストとして登場。Echo、AlexaやRingの魅力に迫った。Ringデバイスでは、高解像度やAIによるカラー化技術のColor Night Vision、Echoでは画面が大きく、サウンドも迫力ある「EchoShow 11」での映画視聴などをアトラクションを交えて体験。「防犯カメラデビューしたい」 Alexaは「後輩より優秀」などと、ウィットに富んだコメントをして会場を盛り上げていた。





































