PC市場で身銭を切って「Snapdragon」アピール
パソコン業界はチップメーカーがパソコンメーカーや量販店に販売奨励金を支給する習慣がある。クアルコムでは競合他社に比べて3分の1程度しかない予算のなか、効率的なマーケティング活動が求められてきた。
世界的にSnapdragonのブランド認知を挙げるため、サッカーのマンチェスター・ユナイテッドやF1のメルセデスAMGにスポンサーしている。
また、小売りチャネルでの展開を強化し、アメリカではバストバイなどの家電量販店で什器を設置。1年間未満で世界において1万カ所を超える小売りチャネルで什器を設定したという。店頭ではSnapdragon搭載のノートパソコンがいかにバッテリー寿命で優れているかを語れる販売員を配置している。
クアルコムが特に重視しているのが、アメリカ、イギリス、ドイツ、インド、そして日本だ。日本では10月に全国4カ所でSnapdragon搭載ノートパソコンを体験できる体験イベントを実施する予定だ。
スマホの場合、NTTドコモやKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルといったキャリアショップで、端末メーカーであるソニーやシャープ、サムスン電子の製品が並び、その中にSnapdragonが入っている。ユーザーとSnapdragonの接点はかなり小さい。
しかし、パソコンの場合は、メーカーと同等にチップが注目されることもあり、クアルコムが自ら身銭を切って、街中に出て「Snapdragon」のアピールに余念がないのだ。

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