体と心がほっとする、ミドルエイジからのおいしいご自愛レシピ

長谷川あかりさんに聞いた「40代からのゆらぎを整える、いたわりごはん」

文●杉山幸恵

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 40代から50代にかけて訪れるプレ更年期・更年期。体の不調や心のもやもやを「年齢的なものだから仕方ない」「なんとなく我慢してやり過ごしている」という方も多いのではないでしょうか。大きな原因のひとつは、女性ホルモンの分泌量が急激に減ること。ホルモンバランスや自律神経の乱れから、ホットフラッシュなどの症状に加えて、疲れが取れにくい、眠りが浅い、気分が落ち込みやすいといった不調があらわれることもあります。今回は、そんな症状を少しでもやわらげるために、管理栄養士で料理家の長谷川あかりさんに、体と心をいたわるレシピを教えていただきました。

簡単でシンプル、そして体に優しいレシピに定評がある長谷川あかりさん

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一度の食事で100点を目指さず、60点、70点で毎日コツコツ積み重ねて体をいたわる

 ミドルエイジならではのゆらぎを整えたい、不調をやわらげたい。そんな時に、まず見直してみたいのが、「日々自分がどんなものを食べてきているか」ということ。長谷川さんは「食事の大切さ」をこう語ります。

 「毎日の食事の積み重ねが今の自分の体をつくっています。だからこそ、体のことを考えるなら、まず食事を整えることが一番大切だと考えます。しかし、一度の食事が100点満点でも、すぐに体は整うものではなく、結局のところ続けられなければ意味がありません。

 薬との大きな違いはそこにあって、食事でゆっくりゆっくり栄養素を補給し積み重ねていくことで、副作用の心配もなく、確実に体を整えてくれます。完璧を求める必要はなく、60点とか70点くらいを毎日少しずつ積み重ねていくことが、無理なく日常の中で体をいたわるコツではないでしょうか」

 長谷川さんがレシピを考える時に大切にしているのは、「おいしすぎなくていい」ということ。過度なものは食べる人にも、作る人にも負担が大きいと考えているそうです。

 「私が考えた120%の味付けでレシピをお渡しするのではなく、やや余白のある味つけにとどめることで、その日の自分の体調や気分、生活状況に合わせてカスタマイズしていただけるようにしています。

 そして、何ごとも無理をしすぎないことが一番大切です。体のことを考えた時、食べるものは重要ですが、そこに固執しすぎて心が疲れてしまったら身もふたもありません。しっかりとした料理である必要はないので、まずは〝今の自分が求めている料理〟を知ろうとすることからセルフケアは始まると思っています。それが、今の自分の状態を正しく把握することにつながるからです」

 これからご紹介する長谷川さんのレシピは、日常に寄り添い、心と体をじんわりと整えてくれるごはん。仕事が終わってからでもパパっとつくれて、しみじみおいしい。そんな〝日々の小さな不調〟にやさしくアプローチするレシピを、あなたのレパートリーに加えてみませんか?

 

ホルモンバランスを整える「ふわふわ鶏塩麻婆豆腐」

 「豆腐の原料である大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲン(女性ホルモン)と似た働きをする成分で、体の中で女性ホルモンのような作用をしてくれます。そのためホルモンバランスを整えるサポート的な役割を期待できると言えるでしょう。

 この麻婆豆腐は鶏ガラや中華だしを使わなくても、素材の旨味がたっぷりなので満足度高め。ひき肉は細かくしすぎず、ゴロゴロッと塊を残して食べ応えを出します。途中で山椒やラー油を加えるほか、トッピングの万能ネギをニラやパクチー、三つ葉や木の芽など、お好みで変えても楽しめますよ」

■材料(2人分)

鶏モモひき肉…100g

A(長ネギの白い部分…1本分、ニンニク、ショウガ…各1片分)

料理酒…1/2カップ

塩…小さじ1/2

豆板醬…小さじ1/2~

絹豆腐店…1丁(300~350g)

B(片栗粉…小さじ1、水…小さじ2)

ラー油、山椒粉、万能ネギ(好みで)…各適量

■作り方

① Aの材料をすべてみじん切りにする。

② 深めのフライパンに①とひき肉、料理酒を入れ、蓋をして中火で3分蒸す。

③ ひき肉を軽くほぐしたら、塩、豆板醤を加え、豆腐を丸ごとのせる。ヘラなどで豆腐を軽く崩し、全体をなじませる。塩や豆板醤(各分量外)で味を調え、Bの水溶き片栗粉を加え、1分ほど煮立たせる。

④ 器に盛り、好みで小口切りにした万能ネギ、ラー油、山椒粉をかける。

 

睡眠の悩みにアプローチする「カボチャ豆乳粥」

 「豆乳も豆腐と同じ大豆製品なのでイソフラボンの効果が期待できます。さらに白米を発芽玄米に置き換えるのもおすすめ。発芽玄米は睡眠の改善を助けるGABAを多く含んでいます。置き換える場合でも煮込み時間はレシピ通りで大丈夫です。

 脂質が少なく低カロリーなカボチャのお粥は体に優しく、帰りが遅くなってしまった日の夕飯にもぴったり。豆乳とだしを使うので甘すぎず、まさにちょうどいい味です。ほっとする黒ゴマや、気分が華やぐクミンパウダー、元気が出るカレー粉などをトッピングしてアレンジしてみてくださいね」

■材料(2人分)

ごはん…150g

カボチャ…1/8個(正味100g)

だし汁…300㎖

無調整豆乳…200㎖

塩…小さじ2/3

すりごま(黒)…適量

■作り方

① カボチャは皮、わた、種を取り除き、小さめにカットする。

② 小鍋にカボチャ、だし汁を入れ、沸騰したら蓋をして弱めの中火で5分煮る。カボチャがやわらかくなったらお玉で軽く潰す。ごはんを加えて混ぜ、蓋をしてさらに3分煮る。

③ 豆乳、塩を加え、沸騰させないよう弱火で2~3分煮る。

④ 器に盛り、すりごまをかける。

 

疲労回復をアシストする「鶏ムネ肉の梅ニンニククリーム煮」

 「鶏ムネ肉は、疲労回復に効果的とされるイミダペプチドが豊富に含まれています。梅に含まれるクエン酸も疲労の原因となる乳酸の蓄積を防ぐため疲労回復の手助けに。さらにニンニクのアリシンとビタミンB1の相乗効果も疲れた体に役立つとされています。

 しっかりとした味でごはんにもよく合います。意外な組み合わせに見えるかもしれませんが、生クリームがニンニク、梅干しをまろやかにまとめてくれます。クリーム煮なのに飽きずにペロリ。元気が出ますよ!」

■材料(2人分)

鶏ムネ肉…1枚(約300g)

塩…適量

片栗粉…大さじ2~3

長ネギの白い部分…1本分

梅干し(甘くないもの)…大1個

白ワイン…1/2カップ

A(生クリーム…1/2カップ、水…1/2カップ、おろしニンニク…小さじ1/2)

大葉…適量

■作り方

① 鶏ムネ肉はそぎ切りにし、塩ひとつまみをふり、片栗粉をしっかりとまぶす。長ネギは斜め切りにする。

② ①と皮を破った梅干しをフライパンに入れ、白ワインを加えて中火にかける。沸騰したら蓋をして弱火で5分蒸す。梅干しを崩しながら全体を混ぜ、汁気を飛ばす。

③ Aを加え、蓋をして中火で10分煮込み、塩で味を調える。

④ 器に盛り、千切りにした大葉をのせる。

 

メンタル不調をやわらげる「鮭と春菊のてんかすポン酢がけ」

 「鮭に含まれるオメガ-3脂肪酸の抗酸化作用がメンタル不調をサポート。春菊の独特の香りの成分であるα-ピネンやペリルアルデヒドは胃腸の調子を整えるため、食欲増進効果や消化促進効果が期待できると言われています。

 食欲がわけば少しは気持ちもあがるかもしれません。ポン酢がからんだ揚げ玉はサクッとして、じゅわり。さっぱりとおいしいので、いくらでも食べられそうな一品です。しっかり食べて、体と心に栄養をあげてください」

■材料(2人分)

生鮭切り身…2切れ

塩…少々

片栗粉…適量

春菊…1袋(200g)

料理酒…少々

ポン酢しょうゆ、ごま油、揚げ玉…各適量

■作り方

① 鮭は目立つ骨を抜き、塩をふって10分置き、キッチンペーパーで水気をふき取る。4~5等分のそぎ切りにして、片栗粉を全体が白くなるようにまぶす。春菊は長さ4~5㎝に切る。

② 鍋かフライパンに湯を沸騰させ、春菊をサッとゆで、水にとり、水気をよく絞る。同じ湯に料理酒を加え、酒を入れて弱火で4分ゆでてざるに上げて水気をきる。

③ 器に春菊と鮭を盛り、ポン酢しょうゆとごま油をかけ、揚げ玉を散らす。

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Profile:長谷川あかり

はせがわ・あかり/料理家・管理栄養士。1996年生まれ。10歳から芸能活動を始め、「天才てれびくんMAX」(NHK)などに出演。2018年、結婚を機に芸能界を引退し、大学で管理栄養士の資格を取得。2022年からSNS、料理雑誌、ファッション誌を中心に、作り手の気分が上がり、身体にも優しいレシピを発信している。「クタクタな心と体をおいしく満たす いたわりごはん」(KADOKAWA)、「わたしが整う、ご自愛ごはん」(集英社)など多数の著書があるほか、2024年7月にはパーソナルムック「DAILY RECIPE」シリーズを創刊。

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