コンパクトなボディーによく回るエンジン。元気のよい走りで80~90年代に人気を集めた通称「ボーイズレーサー」や「ホットハッチ」。ですが、最近はそういうクルマって見かけないような?
いえいえ、トヨタの「GRヤリス」、日産の「AURA NISMO 4WD」、Hondaの「FIT e:HEV RS」があるじゃないですか! そんな3台に触れることで、それぞれのメーカーの思想の違いが見えて面白かったので紹介します。
【GRヤリスRZハイパフォーマンス】世界一ホットな3ドアハッチ
本来ならGR SPORTグレードのアクアが適任なのですが、あえてトヨタの大看板のひとつであり、昨年マイナーチェンジしたGRヤリスをチョイス。価格的にも車格的にはRSグレードが好ましいかったのですが、マイナーチェンジでRSグレードは廃止のため、RZグレードになりました。
ボディーサイズは全長3995×全幅1805×全高1455mm、ホイールベースは2560mmと軽自動車とあまり変わらなかったりします。このボディーサイズはWRCなどのラリーで導き出されたサイズであることは言うまでもありません。ちなみにランチアの名車「ストラトス」はもっとショートホイールベースです……。
エンジンは最高出力304PS、最大トルク40.8kgf・mを発する1.6L 直3ターボ。これを6MTまたは8ATで四輪に伝えます。燃費はWLTCモードでMTが12.4km/L、ATが10.8km/L。価格はMTが498万円、ATが533万円。オプションでインタークーラーを冷却する「クーリングパッケージ」を用意するほか、標準でトルセンLSD(左右の駆動輪の回転速度差を自動的に調整して駆動力を伝達する装置)が用意されています。
マイナーチェンジで大幅に変わったインテリア。シートはセミバケット式で、シート位置は前期型に比べて25mmダウン。運転席というよりコクピットという形容がふさわしい印象。フルLCD化したメーターパネルはかなり見やすく、必要な情報をすぐに呼び出せます。
四輪駆動のモード切替や、走行モード切替などが充実しているのもGRヤリスの特徴。クルマ好きの心をくすぐります。
GRヤリスは4人乗り。後席はあるにはあるものの常用は難しいという印象で、4名が乗るには前席はかなり前に動かさないといけないでしょう。USB充電端子などの用意もありません。
荷室はかなり簡素な印象。容量は174Lで、後席を倒すと225/40ZR18(標準サイズ)のタイヤが4本収納できるとのこと。
ステアリングもペダル類も重めで剛性感を覚えます。車内はイマドキのクルマとしてはかなりノイジーで、足回りの硬さと相まって後席に座るのは拷問といえそう。ですが、運転しているほうは、楽しいことこのうえなく。
意のままにクイックにクルマが動く! しかも圧倒的な速さで。とんでもない速さなのにこわくないのは、クルマがシッカリと地面をつかんでいるからで、それがドライバーにもキチンと伝わってきます。クルマというよりウェポンという表現が合っているかも。このクルマの「速く走るための道具感」はスゴイ!
車幅こそ1800mmあるものの、全長が短いため峠道などでは取り回しが容易。コンパクトなボディーゆえ、峠道を縦横無尽にかッ飛びます。GRヤリスをホットを超えたスーパーなハッチバックと手放しで称えたいと思います。

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