静かだけど低音が響くエンジン
加速も鋭くツーリングも楽しい
セルボタンを押すと、単気筒エンジン特有の鼓動が五感に伝わります。振動は適度に抑えられて、長時間乗っていると手がしびれる、ということはなさそう。BMW 310Rと比べると、明らかに静かで低振動です。
発進トルクはかなりのもので、ドッドッドッドッという小気味よい音と共に、想像以上に車速が乗っていきます。回そうと思えば回ってしまうので、街中で4速50km/h巡行で走っていても、3速に落としてアクセルを捻れば、鋭い加速が楽しめます。もちろん4速ホールドのまま、ゆったり加速するのも良いでしょう。とはいえ、このバイクの楽しさは、鼓動を感じながらの「ゆったりのんびり」にあって、目を三角にして頑張るものではないような。ですから、4速のまま、左車線を巡行し、街の景色を楽しむのに最適といえそうです。
安定感はピカイチで、それでいて運転中は重たさを感じることなく、むしろ軽快さを主としたハンドリング。ややアンダーステアの傾向のようで、扱いやすいように感じます。駐輪場での取り回しも思ったほど悪くはありません。しなやかで柔らかな乗り味は、長時間のライディングでも苦にならず。肉厚クッションと相まって「このバイク、めっちゃ快適!」と誰もが思うのでは? ロングツーリングの良き相棒になれそうです。
一方で、たとえば低回転走行時にはECOというランプが点灯したり、キックスタートがなく、セルで一発スタートするあたりなどは、実用的というか「いや、もう少し遊びがあっても」とも。ワルっぽく振舞おうとしたけれど、ワルにはなりきれなかった優等生の雰囲気で、そこにHonda車らしさを感じます。もっとも、それが扱いやすさにもつながっているので、雰囲気の強烈な個性を求められると、ちょっと肩透かしになるかも!? 個性はクセであり、それは時としてライダーに何かしらの形で負担になったりしますから、このくらいが丁度よいのかもしれません。
コロナ禍の影響で、バイクの需要が高まっているのだそう。実際に販売台数は前年を上回っているばかりか、教習所に行くと教習生でいっぱい。テレワークを利用して、普通二輪を取得しようとする中高年の姿も見かけます。ですが、最近のバイクはちょっと尖がったデザインが多く、若い人には似あいますが、中高年には……。GB350はそんな中高年初心者ライダーの受け皿にピッタリな気がします。扱いやすいですし、コンサバティブな外観って年齢問わず似合いますからね。
もちろん、若い人にもピッタリ。特に女性には、扱いやすさと安定感から好まれるのでは? どんな場所でもバイクのある風景にさせてくれますから、カフェの窓から愛車を見たらニヤついてしまうのでは?
GB350は懐が深く、幅広い人に受け入れられるバイクといえそう。そして乗っていて「のんびり走るのも悪くないな」と感じられるでしょう。スポーツ系バイクでガンガン走るのも楽しいですが、スローなバイクライフ、大いにアリです!

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