1980年代を代表する名機
IBM 3090シリーズが誕生
これでミドルレンジの底上げを図ったうえで、1985年に発表されたのがIBM 3090シリーズである。
画像の出典は、IBM Archives
Sierra、というコード名で知られるこのシリーズは、IBM初の288Kbit DRAMを搭載した製品でもあり、1980年代いっぱい使われたシステムでもある。1985年にはまず2プロセッサーのModel 200と4プロセッサーのModel 400が発表される(動作周波数は54.1MHz)。
画像の出典は、Google BooksのアーカイブのComputerWorld 1981年10月12日号
Model 200が32MIPS、Model 400が57MIPSほどの性能で、4プロセッサー構成のIBM 3084の28MIPSを上回る性能を2プロセッサーで実現している。
これに続き、1986年には1プロセッサー構成のModel 120/150がリリースされた。性能は11.8MIPS/17MIPSほどだが、IBM 3083が最高でも9.5MIPS程度だったことを考えると、けっこうな底上げになっている。
翌1987年には動作周波数を若干(54.1MHz→56.2MHz)引き上げたModel 150Eと、その上位モデルとして180Eが追加されたほか、2プロセッサー以上も最大6プロセッサーまですべて用意された(200E/300E/400E/500E/600E)。
ハイエンドのModel 600Eでは89MIPSに達している。このEシリーズはローエンドの120E(54.1MHzで据え置き)と150Eを除くと、すべて動作周波数が58.1MHzである。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ











